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自発性を促すことのおもしろさ


仕事の内容を話していると、「組織コンサルティングって、要は採用とか人材紹介とかですか?」と聞かれることがあります。「いえいえそうじゃなく、組織の一人ひとりが『楽しいなあ』って働いてくれて、それでもって業績も上げることを目的として、会社内の仕組みを色々と変えます」と答えています。ほとんどの方の頭の上に「?」がついているのが見えます(笑)

ちょっと話をそらすと、私の大好きなTEDのプレゼンテーションに「史上最高の幼稚園」というのがあります。もう、何度も繰り返し見ていますが、観るたびに「面白いなあ、建築を頼むときは手塚貴晴さんにしてもらいたいなあ」と思います。テキストの書き起こしもあるので、Yahooニュースのリンクを貼っておきます。

TED 史上最高の幼稚園

長いのですが、一部分も引用します。

**************引用開始***************
私は建築家なんですけれどもよく知られているようにいつも青なんですね。青シャツで実は時計が青で、実はiPhoneを見ても青くて(笑)、名刺入れを見ても青くて、靴下を見ても青くてこれを見せるとですね「お前は洗濯しない物を着て汚いんじゃないか」と言う話もあるんですけれども。

実は100枚以上同じシャツを持っていましてユニクロのこの色とサイズのシャツはあっという間に渋谷店と新宿店では売り切れてしまったという・・それくらい同じ物を着ています。
それでうちの奥さんはですね、全部赤なんです。

赤と青で結婚したものですから2人でシェアするものは全部黄色にしようということで、娘が生まれたときに黄色にしました。本当は息子も黄色にするはずだったんですけれども、娘が「自分の色を取られるのが嫌だ」と言って緑を弟にあげまして赤青黄緑になるそういうプロセスで私たちの家族の色というのは決まっております。

「建築家なのに何でお前は家族の話から始めるんだ」という話なんですけども、実は私たちの建物というのは家族とか人間とかそういうのが1番大事なポイントなんですね。今日は15分しかないので建物を1つしかお見せしないです。

それ以上ご覧になりたい方は違う講演会に来ていただくか、私たちの本をTOTO出版から出ているので買っていただくかしていただくと大体わかると思います。これはふじようちえん、ご存知の方も多いと思いますが・・ちょうどこれは赤と青のペアですね(笑)。

まぁこれはどうでもいいとしてこの丸い形状・・何でぐるってなってるかと言うと、私たちは子供を見て観察するのが得意で、子供が今8歳と10歳でこれを設計した頃は8年前とか9年前なのでまだちっちゃかったんですけども。

子供っていうのはぐるぐるっと回れるところがあると延々と回り続けるんですよね。日本の子供っていうのはどうも元気がないもんだから、ぐるっと回れるところを作ったら1日中回ってるんじゃないかっていう単純な思いつきで作ったのがこの建物ですね。

それともう1つ大事なのはこの幼稚園を建て替える前に大きな木があったんですね。どうしてもぐるっと丸くすると木にぶつかってしまうものですから、木を切らないで作ろうとそれで木を切らないで作るとこういうことになるんですね。

部屋の中に木が生えちゃう。これ難しいのは木って根を切っちゃうと枯れちゃうので、根がどこにあるかっていうのを考古学調査みたいにほじくり返したりエコーとか使って調べて建物を作るということをしています。

こんなのができたんですね。この園長先生が変わっててですね、元々ことの始まりは屋根の上で暮らす家族の家を見て頼まれたんですけれども、その家には手すりがないんですよ。

この幼稚園を作るときも屋上に手すりは欲しくないという話があって「幼稚園で手すりなしで屋上を作ると訴えられると思いますよ」と話をしたら園長先生が「じゃあ軒先からネットを出して落ちてくる子供を受け止めるのはどうですか?」と真剣に言われて、確認しに申請機関に行ったら「あなた頭大丈夫ですか?」って言われて戻ってきました。

「園長先生やっぱりだめと言われました」と言うと「いや大丈夫だから」と園長先生がまた役所に電話したら向こうの人はすごく困っていて「いやぁ園長先生から電話がかかってきちゃったんですよね」と。

この園長先生ってそこらじゅうに卒園生がいるのでなかなかの影響力を持っていて、ほとんど立川市長さんより偉いというポジションなのでしょうがないなってことで、木の周りだけネットを張って「これを手すりであると言っていい」ということになったんですね。

これはこの間、構造をごまかした建築士というか構造設計の人がいてそれ以降これができなくなっちゃったんですけども、その当時はこれでいいという話だったんですね。これは違法建築じゃないですから、ところが子供にとって手すりなんて関係ないですよね。

どんどん落ちてきて木の周りにもっと落っこちて、ほら手すり関係ないでしょう。もっと落っこちてもっと落っこちて(笑)。多いときは40人くらい落っこちてこんなになっちゃうんですね。

あの上の方、木に登っている坊主がいますけども彼はものすごく木が好きなもんで木を食っているとこです(笑)。手すりをですね園長先生がどうしても「手すりいらない」って言い続けて「ネットで作ってくれ」「それはだめですよ。たて桟じゃないと子供たちが登っちゃうんです」という話があったもんですから、じゃあしょうがないっていくつか弱いのや強いのを作って、そしたら園長先生が「この1番弱いのがいいんだよ」と言って揺れるのを注文して、実は揺れる手すりができました。

折れないんですよ、力学的にただ押すと少しぐらぐらするこの雰囲気がなかなか下から見ると良くてですね。動物園なんですね、猿ね(笑)。これは餌をあげてるところです(笑)。まあこんな風に見えるんですね。

この幼稚園は実は作った時に色んな所から苦情が来まして、関係省庁や関係機関から苦情が来ましてですね。要は学校建築っていうのは幼稚園であろうと何であろうと「天井高は3メートルを維持しなさい」という話があったんですけども、園長先生と話していて「そんなのやめようよ」ってこれは天井が2.1メートルしかないんですね。

何でかっていうとこれは高くなっちゃうと屋上で起きていることが廊下というか中庭の反対側から見えないんです。それでぎりぎりに低くしてずいぶん苦情が来ました。ところがですね、状況が変わったのは今から2年くらい前。

要は津波の直後です。あの時、私たち実は文部省から連絡をもらいまして「いや大変なことになりました」と言うんです。文部省の若い人たちが勝手にこの幼稚園をユネスコとOECDの企画に応募してこの幼稚園が世界一に選ばれました。

過去50年間に建った世界中の学校建築の中でいいものを提出しなさいということで国連加盟国がみんな出したんですね。166件33カ国から出てこれが世界一になっちゃいました。日本って面白いもんですね。日本人がいくら言ってもちっとも言うこと聞かないのに、外国から言われるとすぐ言うこと聞くんですね(笑)。

もう、すごい、すごいと言って、あれほど叱られていたのにいきなり文部大臣がいらして文部大臣賞を園長先生にあげて「どうも頑張りましたね」みたいな。今度は我々はパリに行って、そしたらパリに行ったらまた文部省の方々も来ました。

今度は帰ってきたらうちの奥さんが法律を作る係になって今度我々が勝手にこう・・決まりを作れるようになったので「天井高は3メートルいりません」とか何でもかんでも好きなように、やっぱり決まりを作る側になると気持ちがいいもんですよね(笑)。
**************引用終了***************

おもしろいのでぜひ全文をご覧いただきたいのですが、建築家の手塚さんと園長先生の何がすごいかというと、子どもたちが自発的に遊ぶしかけを作っている点です。幼稚園児・保育園児の平均が1日800mほど歩き回るそうですが、この幼稚園は平均4kmだそうです。延々と6kmくらい走る子もいるようです。なぜ走るのか?手塚さんがいうには「円があるとその周りを走りたくなる」「傾斜をつけるとさらに走りたくなる」そうです。この幼稚園児は他の園児に比べて体力測定で優秀なスコアを出すらしいです。当然と言えば当然ですね。

組織コンサルティングというのは、建築家の手塚さんのような仕事です。手塚さん同様、私も行動観察をして「こうすれば、このように動くんじゃないかな?」というノウハウを、各々の組織に合うようにカスタマイズして導入しているだけです。「スタッフおのおのに判断を任せると、ろくなことにならない。かえって業績が悪くなる」という方もいます。確かに、すべてを任せられてもかえって何をしていいのか分からないこともありますので、程度の問題はあるとは思います。でも基本的には、スタッフに任せた方がうまくいくのではないかと経験上感じています。
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